食品表示基準改正:食物アレルギー検査に「くるみ」が追加

投稿日:

令和5年3月9日に食品表示基準の改正があり、特定原材料(アレルギー表示が義務となる食品原材料)に「くるみ」が追加されました。これにより、特定原材料は7品目から8品目となりました。
ビューローベリタスエフイーエーシーでは特定原材料に追加された「くるみ」について、スクリーニング検査「ELISA法」、簡易検査「イムノクロマト法」、および確認検査「リアルタイムPCR法」の受託を開始しました。
製品の安全性確認、製造ライン汚染の有無および原料の確認のためにご活用ください。

→ 食物アレルギー含有検査

食品表示基準に基づくアレルギー表示の対象

アレルギー表示には「特定原材料(表示義務)」と「特定原材料に準ずるもの(表示推奨)」があり、それぞれの区分と該当する原材料品目は以下に記載したとおりです。

特定原材料

アレルギー症状を引き起こすことが明らかになった食品のうち、特に発症数、重篤度から勘案して表示する必要性の高いもの

8品目 えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)

特定原材料に準ずるもの

アレルギー症状を引き起こすことが明らかになった食品のうち、症例数や重篤な症状を呈する者の数が継続して相当数みられるが、特定原材料に比べると少ないもの

20品目 アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

国は特定原材料についての表示は必須としていますが、特定原材料に準ずるものも表示に努めるようにと求めています。これは表示記載がないばかりに食物アレルギーを有する方が喫食してしまった場合、消費者には症状の軽重にかかわらずアレルギー症状による生活への支障が生じるリスクがあるからです。製造者にもその責任が問われる可能性があります。
そのため、自社で販売、製造する商品が、表示されていない食物アレルギー物質に汚染されないように防止すること、製品に混入していないことを確認することが大切です。

特定原材料の検査方法

消費者庁からの通知である「食品表示基準について(平成27年3月30日 消食表第139号)、第28次改正(令和5年3月9日 消食表第102号)」では特定原材料の検査についても触れられていますが、表示のない原材料がスクリーニング検査(ELISA法)により陽性になった場合で製造記録にその原材料の記載がない場合、ウエスタンブロット法、PCR法、リアルタイムPCR法やPCR-核酸クロマト法等による確認検査を実施する必要があります。

※ELISA法は抗原抗体反応を利用し、反応の度合いを調べることでターゲットとなるたんぱく質の存在を判定しています。しかし、化学構造が類似している別のたんぱく質に反応して擬陽性判定になることがあるため、特性の異なる2種類のキットを利用したスクリーニング検査(ELISA法)を行うことが必要です。

ビューローベリタスエフイーエーシーでは多種の食物アレルギー物質の含有検査について、試験品受領から3日で結果報告を行います。検査の必要性に応じた検査方法の選定のアドバイスも行っておりますので、不明な点はお問い合わせください。

参考

→ 食物アレルギー含有検査