レジオネラ属菌の検査(水質調査)

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レジオネラ属菌およびレジオネラ症について

レジオネラ属菌とは、自然界(河川、湖水、温泉や土壌など)に生息している身近な細菌であり、体内に感染するとレジオネラ症(legionellosis)を引き起こす病原菌です。レジオネラ属菌はおよそ60種類確認されていますが、その中でもレジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)はレジオネラ肺炎を引き起こし、レジオネラ症を重症化させる代表的なレジオネラ属菌の1種として知られています。レジオネラ症は日本国内でも年間1000件以上の感染例が報告されており、感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)上の四類感染症にも指定されています。

主な生息場所は自然界ですが、自然界におけるレジオネラ属菌の数は少ないとされています。しかし人工的な環境下(水の溜め置き、浴槽の汚れ等)に発生した生物膜(バイオフィルム)内のアメーバ等の原生動物に寄生し増殖するため、不特定多数の人々が利用する施設(公衆浴場や旅館、プール施設)についてはレジオネラ属菌の蔓延を防ぐため、日頃から施設や設備の衛生管理が必要となります。

ビューローベリタスエフイーエーシーではレジオネラ属菌の検査を行っています。検水のサンプリング方法が多岐に渡りますので、まずはお問い合わせフォーム等からご相談ください。

レジオネラ属菌の参考画像

参照:CDC「Public Health Image Library (PHIL)」

レジオネラ属菌の主な感染経路

主にレジオネラ属菌に汚染された水およびエアロゾル(細かい霧やしぶき)を吸引してしまうことで、細菌が体内に侵入・感染して発症します。また人から人へ感染する可能性は低いとされています。

  1. エアロゾル感染
    レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾルを吸入することによって感染します。
    【代表的な感染源】冷却塔水、加湿器、循環式浴槽、修景用水蓄など
  2. 吸引・誤嚥
    レジオネラ属菌に汚染された水を直接吸引・誤嚥することによって感染します。
    【代表的な感染源】浴槽水(温泉)、河川、湖水、給湯設備の水など
  3. 土壌からの感染
    レジオネラ属菌に汚染された腐葉土の粉塵を吸い込んだことで感染します。

レジオネラ属菌の規則基準

  • 人が直接吸引する可能性のない場合(エアロゾル)
    100CFU/100mL(注1)以上のレジオネラ属菌が検出された場合、直ちに施設は清掃・消毒等の対策を講じなければいけません。また、対策実施後は検出菌数が検出限界値である(10CFU/100mL未満)以下であること検査機関で確認する必要があります。
  • 浴槽水、シャワー水等を人が直接吸引するおそれがある場合
    レジオネラ属菌数の目標値を10CFU/100mL未満(注2)とし、検出された場合は直ちに施設に清掃・消毒等の対策を講じた後、対策実施後は検出菌数が検出限界以下であることを確認する必要があります。
    (注1)CFU…Colony Forming Unit
    (注2)公衆浴場における水質基準等に関する指針(厚生労働省)における基準値

レジオネラ属菌の検査の流れ

  1. お客様からのご依頼およびサンプリングの打ち合わせ
    遠方の場合は弊社から滅菌済サンプリング容器をお送りします。
  2. サンプリングまたは持込および配送
  3. 検査
    公衆浴場における水質基準等に関する指針に基づいた検査を行います。
  4. 報告
    検査項目 所要日数 必要量(目安)
    レジオネラ属菌 8 1L以上

ビューローベリタスエフイーエーシーでは、レジオネラ属菌だけでなく水質調査に関連するさまざまな検査も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

→ 微生物検査(浴槽水・プール水)

参考

→ 微生物検査