【講演レポート】ビタミン・食物繊維を含めた栄養成分分析

投稿日:2023年11月16日

セミナー開催日:2023年3月2日
セミナー「ビタミン・食物繊維を含めた栄養成分分析」

一般用加工食品および一般用の添加物には栄養成分表示が義務付けられており、消費者庁からは食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドラインが出ています。食品を購入する際、栄養成分を確認・重視する消費者も増えています。
セミナーでは、義務付けられている栄養成分とそれ以外のビタミン・食物繊維といった栄養成分について、表示例を交えて、検査と注意点について説明いたしました。

ビューローベリタスエフイーエーシー株式会社 食品検査部 奥本啓之

→ セミナー資料ダウンロード

 

栄養成分表示

まずはおさらいですが、栄養成分表示には、義務表示と積極的に推進される推奨表示があります。
またオメガ3などの不飽和脂肪酸やコレステロール、糖質、ビタミン類やミネラル類などは、定められた表示方法で表示可能となる任意表示があります。
その他、健康の保持増進に係わる栄養成分を強調する表示があり、該当する基準を満たした食品が表示できます。

栄養成分の補給

  • 基準値以上=高い旨の表示、含む旨の表示
  • 比較対象商品と基準値以上の差がある=強化された旨の表示
  • 相対差が25%以上(たんぱく質、食物繊維)=強化された旨の表示
(表示例)
強調表示の種類 高い旨 含む旨 強化された旨
絶対表示 相対表示
表現例 高〇〇
△△豊富
□□たっぷり
〇〇含有
△△源
□□入り
〇〇30%アップ
△△2倍
該当する栄養成分等 たんぱく質、食物繊維、亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸

参照:食品衛生の窓(東京都保健医療局)

栄養成分または熱量の適切な摂取

  • 基準値未満=含まない旨の表示
  • 基準値以下である=低い旨の表示
  • 比較対象食品と基準値以上の差がある=低減された旨の表示
  • 相対差が25%以上(ただし、味噌は15%、醤油は20%)=低減された旨の表示
(表示例)
強調表示の種類 含まない旨 低い旨 低減された旨
絶対表示 相対表示
表現例 無〇〇
△△ゼロ
ノン□□
低〇〇
△△ひかえめ
□□ライト
〇〇30%カット
△△10gオフ
□□ハーフ
該当する栄養成分等 熱量、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、ナトリウム

参照:食品衛生の窓(東京都保健医療局)

無添加表示

  • いかなる糖類/ナトリウムも添加していない
  • 糖類/ナトリウム塩に代わる原材料または添加物を使用していない
  • 糖類の含有量が原材料および添加物に含まれていた量を超えない
  • 糖類の含有量を表示する
(表示例)
強調表示の種類 無添加強調表示
表現例 〇〇無添加
△△不使用
該当する栄養成分等 糖類、ナトリウム塩

参照:食品衛生の窓(東京都保健医療局)

保健機能食品

機能性が表示されている食品としては特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品があげられます。
例えば「特定保健用食品(トクホ)」は下記の場合表示ができます。

疾病リスク低減表示

関与成分の疾病リスク低減効果が医学的・栄養学的に確立されている場合、疾病リスクの低減に関する表示ができます。

規格基準型

特定保健用食品としての許可実績が十分であるなど化学的根拠が蓄積されている関与成分について規格基準を定め、消費者委員会および食品安全委員会の審査を省略し、消費者庁において規格基準に適合するか否かの審査を行い許可されます。

「栄養機能食品」は特定の栄養成分の補給のために利用されるもので、栄養成分の機能を表示するものをいいます。1日の必要な栄養成分(ビタミン、ミネラル等)が不足しがちな場合に利用できる食品です。
国の個別審査を受ける必要はなく、既に科学的根拠が確立された栄養成分を一定の基準量含んでいれば表示できます。

機能性表示食品についてはこちらをご覧ください。

ビタミン類

ビタミンは、生命を維持するためには微量ながら必須で、体内でつくることができないか、作れても必要量を満たせない有機化合物と定義され、体の調子を整えるのに欠かせない栄養素です。さまざまな食品から摂取する必要があり、健康との関わりからも常に消費者の関心が高い成分です。

水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに大きく分けられ、合わせて13種類あり、体内での働きは種類によって異なります。また、厳密にはビタミンには属さないものの、似た働きをするビタミン様物質に分類される成分もあります。

各種ビタミンの量は、これら各成分の分析することにより確認することができます。
近年は「高速液体クロマトグラム法」「微生物学的定量法」の2つの検査方法で、ほとんどの分析が可能です。

 

セミナーでは、それぞれの栄養成分の表示例を具体的にあげて解説し、表示に必要な検査方法についても、栄養成分(項目)ごとにご紹介しました。

セミナーの資料はダウンロードできます。下記より、メールアドレス登録後、ダウンロードURLをご案内いたします。

セミナー資料をダウンロードする 

→ 成分分析