異物検査
- 生産、貯蔵、流通の過程での不都合な環境や取扱いに伴って、食品中に侵入し、または迷入したあらゆる有形外来物。
- 製造工程中や製造保存中に内部にできた固形物。
- 動物性固形物・・・虫、毛、羽毛、排せつ物、骨、軟骨など
- 植物性固形物・・・植物片、紙など
- 鉱物性固形物・・・石、砂、貝殻、ガラス、金属、プラスチックなど
異物検査の流れ

実体顕微鏡・生物顕微鏡
赤外吸収スペクトル法 フーリエ変換赤外分光分析装置(FT-IR)
- 主に有機化合物の測定(定性分析)に使用
例:樹脂片(プラスチック片)、植物片、動物片など - 対象物の赤外吸収スペクトルをライブラリ検索(約15,000のデータ保有)することによって特定
蛍光X線回折装置
- 主に無機物の測定(構成元素・比率)に使用
例:鉱石、金属、ガラス、貝殻など - 対象物の構成元素と比率の分析が可能
- 軽い元素(周期番号がAlより小さい元素)が検出されないため、有機物の測定には向かない
元素分析装置(レーザ元素分析ヘッド)
- あらゆるものの測定(構成元素・比率)に使用できる
- 対象物の構成元素と比率の分析が可能
- 大気中で測定が可能であるため、窒素(N)以外の元素測定が可能有機物も問題なく測定できる
- レーザーにより、多層分析が可能であるため、金属メッキ等の分析に適している
- 表面で物体の確認ができれば、極微細なポイントもレーザーで狙うことができる
セミナーでは、実際の装置と検査方法を説明しました。
また実例として「ハンバーグから認められた白色半透明薄片」や「たまねぎ表面薄皮に付着した異物」などを、写真を使いご紹介しました。
異臭検査
異臭の定義
- 生産、貯蔵、流通の過程での不都合な環境や取扱いに伴った、食品から発生する不快なにおい。
- または製造工程中や製造保存中に発生するにおい。
- 原料由来・・・劣化臭、原料の違い、個体差(食品)、個人差(苦情者)など。
- 周囲からの付着・・・保存場所、包装、他の食品、石油製品など。
- 細菌・・・腐敗、異常増殖など。
異臭検査の流れ

サンプリング SPME(Solid Phase Micro Extraction:固相マイクロ抽出)法
- バイアル内の揮発成分がSPMEファイバーに吸着
- 揮発成分が吸着&濃縮されたファイバーを直接GC/MSの注入部へ差し、測定
GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分計)
- ガスクロマトグラフの検出部に質量分析計を用いた分析機器
- ガスクロマトグラフにより分離した試料(揮発成分)を質量分析計で測定する試料の分離を行うガスクロマトグラフにて、分離した成分を測定する質量分析部により構成される
セミナーでは、異臭特定までの流れを説明いたしました。
また実際の検出結果のグラフを見ながら、どのように異臭の原因物質を特定しているか、解説いたしました。