脂質とは
水に溶けにくく、有機溶媒(クロロホルム、エーテル、ベンゼンなど)に溶ける成分をいいます。
単純脂質、複合脂質、誘導脂質に大別されます。単純脂質と複合脂質は多くの脂質を占め、構成成分として脂肪酸が含まれます。
脂肪酸とは
脂肪酸は炭素(C)と水素(H)と酸素(O)の3種類の原子で構成され、炭素(C)が鎖状につながった一方の端にカルボキシル基(-COOH)がついています。
炭素と炭素のつながり方は1本の手でつながっているものと、2本の手でつながっているものとがあります。この2本の手でつながっている状態を二重結合といい「C=C」と書きます。二重結合がない脂肪酸は飽和脂肪酸、二重結合のある脂肪酸は不飽和脂肪酸と呼ばれています。
また不飽和脂肪酸のうち、二重結合が1つしかないものを一価不飽和脂肪酸(オレイン酸など)、二重結合が2つ以上あるものを多価不飽和脂肪酸(リノール酸、リノレン酸、EPA、DHAなど)といいます。多価不飽和脂肪酸は体内で合成できないため、食事から摂取する必要があり「必須脂肪酸」と呼ばれています。
食品中に含まれる主な脂肪酸の例
注)炭素数がx個で炭素-炭素間の二重結合の数がy個ある脂肪酸をCx:yとも表記します(出典:農林水産省ウェブサイト)
脂肪酸のチャート
不飽和脂肪酸はシス型とトランス型に分けられ、トランス型の構造をもつ脂肪酸を「トランス脂肪酸」と呼んでいます。
トランス脂肪酸はアメリカをはじめとする諸外国に比べ、日本での規制の対応は遅れています。
理由として、摂取量の違いや、トランス脂肪酸に起因するといわれる心疾患による死亡数の違いが挙げられます。
セミナーでは、トランス脂肪酸の生成(天然、加工・精製)と各国の対応について説明しました。
また、油脂の抽出と脂肪酸の測定について、フローおよび計算方法、測定結果(サンプル)をもとに解説しました。
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