【検査メニュー紹介】おいしさ(うま味)の成分検査について

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以前、食感について紹介いたしましたが、食品検査にはおいしさに関する検査項目もあります。今回はおいしさの中の風味・うま味に関係する成分の検査について説明します。

食味の構成要素には甘味・塩味・酸味・苦味・旨味があり、うま味を感じる成分にはグルタミン酸をはじめとする遊離アミノ酸・イノシン酸等の核酸があげられます。また、脂については、脂肪酸の成分に風味・食味が影響されます。

ビューローベリタスエフイーエーシーで実施している検査項目

遊離アミノ酸については、18種・24種・43種の成分検査を実施しています。

味の評価を目的に検査を行う場合は24種一斉分析がおすすめです。また、核酸や脂肪酸組成についても下表のように味の評価が行えます。
うま味成分検査によって、従来品との比較による品質向上や製品の特長・強みの把握など、販売戦略へ活かすことができます。

検査項目味覚、風味代表的成分検査方法
遊離アミノ酸 旨味 アスパラギン酸
グルタミン酸
試験品から遊離アミノ酸を抽出後、全自動アミノ酸分析機で分析
甘み アラニン、グリシン
トレオニン、セリンプロリン
風味、苦み アルギニン
メチオニン
ロイシン、イソロイシン
核酸 旨味 イノシン酸
グアニル酸
アデニル酸
試験品から抽出後、高速液体クロマトグラフで分析
脂肪酸組成 脂の香りにプラス 飽和脂肪酸
(オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸など)
試験品から脂質を抽出後、ガスクロマトグラフで分析
食味の総合評価に
マイナス
多価不飽和脂肪酸
(リノール酸など)

食品のうま味成分の例

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肉類は核酸の一種であるイノシン酸が豊富

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イワシは遊離アミノ酸の一種であるグルタミン酸、核酸の一種であるイノシン酸が豊富

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イカは遊離アミノ酸であるグリシン、アラニン、タウリン、プロリンが豊富

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干しシイタケは核酸であるグアニル酸が豊富

ビューローベリタスエフイーエーシーでは、今回紹介した遊離アミノ酸・脂肪酸組成分析に融点・食感・ジューシーさの分析を加えた食味構成要素パッケージ分析を行なっております。主に食肉や魚肉について、新品種や飼育方法・給餌方法などによる肉質やうま味成分の違いを確認できると好評を頂いております。また、複数検体間による検査結果を比較し、検体の優位さを確認する検体間比較を追加できます。
牛肉や豚肉については独自のデータベース値と検体の検査結果との対比評価を実施しており、より分かりやすい評価を報告いたします。
味による販売価値を見つけたいとお考えの方は、ぜひご相談ください。

参考文献

→ 食品おいしさ分析 → 成分分析